矯正治療の治療期間

矯正治療の通院

矯正治療は状態によって異なりますが、治療完了までに2〜3年かかります。通院は装置の調節などのために4〜6週に1回必要です。裏側矯正は表側と比べて装置作成に時間がかりますが、通院回数に大きな差はありません。マウスピース矯正も6週間に1回程度の来院が必要です。治療後は保定装置を装着した保定期間になり、通院回数は徐々に減ります。保定装置除去後1年は3ヶ月に1回、最終的には6ヶ月に1回の通院となるのが一般的です。

ただし、お口の中の状態は人によって違います。同じ症状でも、治療期間が異なる場合があります。詳しい治療期間については、歯科医師に必ず確認をするようにしてください。

矯正治療に時間がかかる理由

「矯正期間」と「保定期間」

前述したように、歯列矯正は年単位の期間が必要です。このように時間がかかる理由は、歯を動かす「矯正期間」と動かした歯を固定する「保定期間」の2つが必要だからです。歯を動かしても放置すると元の位置に戻る力が働きます。これを「後戻り」といいますが、これを防ぐために「リテーナー」という装置で固定しなければなりません。これにより治療全体に長い期間がかかることになります。

歯が動くのが遅い

歯を動かすにはゆっくりと緩やかに力をかける必要があり、そのため矯正期間が長くなります。力をかけると歯槽骨が吸収され、歯が動くのですが、そのスピードは1か月に1mm程度です。強い力で早く動かすと、歯ぐきが下がったり、神経が壊れたりするリスクがあるため、数年かかってしまうのです。

骨格性不正咬合は長くなる

「歯並び」だけに問題がある場合には比較的治療期間が短い傾向にあります。しかし、骨格に問題がある「骨格性不正咬合」では治療期間が長くなります。これは、歯列矯正だけでは不十分なケースも多く、外科手術が必要になることも多いからです。手術の前後に矯正治療を実施し、入院をする必要があるので、多くの時間がかかります。

矯正期間は短くできる？

矯正期間を短くする方法はいくつか考えられています。以下にいくつかご紹介しますが、必ず自分に合った治療方法なのか歯科医師に相談してから実施するようにしましょう。

アンカースクリュー

アンカースクリュー矯正はインプラントの技術を応用したもので、チタン製の小さなネジをお口の中に埋入し、そこを支点にして歯を動かしていきます。効率よく矯正力がかかるため、治療期間が短くなる可能性があります。

近赤外線

マウスピース矯正では、オルソパルスやPBMヒーリングという近赤外線をあてることで、歯の周りの組織を活性化させる加速装置もあります。

コルチコトミー

この治療は歯槽骨（歯の生えている部分の骨）に切れ目を入れたり切除する外科手術です。骨の硬い部分に処置をするため、歯がスムーズに動くようになり、治療期間が短縮されます。一方で外科手術のリスクがあります。